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◆1)グラフィックプロダクツ
100%子会社「㈱つくし金型製造」を設立

 CAMシステム開発・販売のグラフィックプロダクツ(東京都渋谷区恵比寿1-19-19、JASDAQ6886)は、金型製造会社を7月4日付けで新設した。
 グラフィックプロダクツの新会社設立理由は、高度化・広範化する「金型づくりのためのIT」開発において、実践的な技術検証の環境を得るということである。このことに よって、顧客である金型関連企業からの、より間口の広いソリューション提供への期待に応えていく。連結収益の拡大効果も得られる。

グローバルな視点で捉えれば、金型製造は成長市場であり、わが国の高度な金型製造技術をベースにITを活用することにより、わが国における金型製造業は引き続き有力な産業と位置付けることができる。つくし金型製造は、この有望な国内金型市場で、技術革新の役割りを担いながら事業拡大を狙う。その際、顧客市場の選定や事業戦略の選択がポイントになるが、次の状況を踏まえて検討を進めていく。

① 自動車は、市場成長力の大きさ、ハイブリッドや燃料電池、ITSなど技術革新テーマ
の豊富さ、国内メーカ優位性など、最有力セグメント。
② 大手電子機器メーカなどが、総合的な製造力強化のために自社による金型技術開発の強化に乗り出している。これらの需要に応える技術基盤やそれらを活かせる経営 力を備えれば、大手有力メーカの製品開
発を担うデザイン・イン金型外注先としての事業成長が期待できる。
③ 金型製造を支える基盤技術である、CAD/CAM、工作機械、切削工、材料、成形機械、大学や研究機関などをネットワークできる企業力あるいは支援体制を持つことが有効。

 「㈱つくし金型製造」は、事業拠点として福岡県を選択したが、その理由は以下のとおり。
① 自動車や電子機器、半導体など有力産業の製造拠点集約が進み、地域の金型需要が
拡大している。
② 地理的・歴史的に中国など東アジア地域との交易に実績を持っており、国内のみならずアジア市場を睨んだビジネス展開に優位性を持つ。
③ 以上の地域特性を持つことを背景に、地方自治体も企業誘致や起業支援に有効な制度を制定・運用中であり、これらの活用で投資リスクの軽減を図ることが可能。
④ 大学や研究機関が金型をテーマにした研究や人材教育プログラムを動かしており、これらの活用で、技術開発が進め易い。具体的には、九州工業大学の先端金型センターや経産省の産学連携金型中核人材育成事業を活用したいが詳細はこれから検討。

 九州工業大学情報工学部の鈴木裕教授が、学内の兼業承認手続きが終わり次第、つくし金型製造の取締役に就任する予定である。金型の設計・加工の分野で優れた研究業績を持つ鈴木教授を取締役に招聘することで、技術革新のスピードアップを図る。
 2008年末の段階で売上10億円、社員数50名を事業規模の目標としているが、具体的な事業計画は、新会社設立後、小伏間社長を中心につくし金型製造で決定していく。社員の求人もこれからであり、そのために会社設立を先行させた。当面、実態的には事業化準備室ともいうべきオフィスは、九州工業大学情報工学部内にあるインキュベーション施設を賃借し設置した。人材採用、設備発注、地域産業界への浸透などを順次進め、来年の年初から工場を稼働させたい。
工場の立地は現時点では白紙である。

つくし金型製造は、事業拡大のペースに合わせて、順次、増資を行なう予定である。2008年末の段階では、資本金5億円を想定している。具体的な増資時期、増資額、増資方法など増資内容については、現時点では白紙である。

グラフィックプロダクツには、子会社として米国の金型製造・貿易会社(TritechInternational
LLC、本社イリノイ州)がある。つくし金型製造は、この米国子会社を通じた米国市場からの受注を含め、グローバル市場を睨んだ活動を行う構想である。

◆2)新着雑誌 
〇素形材センター「素形材」6月号
<特集>ラピッドプロタタイピングの最近の動向 
http://www.ido21.com/m-mag/mptcj05.06.pdf
マシニスト出版「Sheet Metal」7月号
<特集>・精密板金のメッカ「京都」Ⅱ
    ・板金CAD/CAM
http://www.ido21.com/m-mag/sm05.07.pdf
○研究・技術計画学会「研究 技術 計画」05.No.2
<特集>知的財産戦略と人材のマネージメント戦略 
 http://www.ido21.com/m-mag/sprm.No.2.pdf