コンピュータ産業研究会 「中国携帯産業の開発分業体制」
[報告要旨] 中国は世界最大の携帯電話市場である。ユーザーの数は2006年2月に4億人を超え、毎年日本の市場一つ分が新たに生まれている。日本は世界で最も先進的な市場で、第3世代の携帯電話ユーザー数は4600万人と、世界の半分を占めている。
まだまだ外延的市場拡大が可能な中国と、ユーザー数ではすでに飽和し、内包的市場拡大をするしかない日本とでは携帯電話端末の市場のあり方も大きく異なる。本報告は、日本の携帯電話産業における携帯電話端末産業を念頭に置きながら、中国の携帯電話産業の開発体制を紹介する。
[日 時] 2006年6月29日(木)18:30−21:00
[場 所] 東京大学COEものづくり経営研究センター
〒113-0033 東京都文京区本郷 3-34-3 本郷第一ビル 8F
http://www.ut-mmrc.jp/access/index.html
[テーマ]「中国携帯産業の開発分業体制」
[報告者] 安本雅典 氏(青山学院大学 経営学部経営学科 助教授)
丸川知雄 氏(東京大学 社会科学研究所 助教授)
今井健一 氏(アジア経済研究所 地域研究センター 研究員)
許 経明 氏(東京大学 大学院経済学研究科博士課程)
1、日中携帯端末の開発と流通の違い(丸川氏、安本氏)
―>メーカーの視点から見る。
−>中国携帯産業の開発分業体制:
中国の携帯電話端末開発の特徴は、外部資源の活用である。携帯電話の
開発、部品リストの作成、場合によっては製造の手配まで行う設計会社
を各メーカーとも活用している。
2、端末デザインハウス(今井氏)
―>中国地場系デザインハウスの成長プロセスと業態を紹介し、その競争力の
基盤と中国の産業発展への意義を検討する
―>端末の中核機能は、主にTI、Philips、Qualcommなどが供給するプラット
フォームを利用する。
3、半導体設計ファブレス(許氏)
−>2G携帯電話市場の中核機能チップ市場においては、TI、Philipsのような
統合型半導体メーカーに対抗する半導体設計企業が次々と現れてくる。
例えば、台湾系(MediaTek)、中国系(SPREADTRUM)など。
−>そのような半導体設計企業に設計プラットフォームを提供している、
CPUーIPのARM社とファウンドリーのTSMCの取り組みについて紹介する
4、まとめ、ディスカーション(丸川氏、安本氏)
[参加費] ・一般 2,000円 学生 100円
・GBRC会員、MMRCスタッフ(特任教員・特任研究員・関係学生)
は参加費無料。
[連絡先] 田原佳代子 E-Mail: k.tahara@nifty.com
参加される方は6月27日(火)までに御連絡ください。